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デザイナーぱりおのBLOG日和

 日々の雑記と、ときどきPARIS

パリ、18区、夜。 

 

PARISを題材にした映画は数多くある。
旅立ちの気分を盛りあげるため、行く前に何かしら見たりする。
ウキウキしたいですから♪

でも、この映画はちょっと違う。

パリ、18区、夜。

(DVD化はされておらず、たぶんVHSも在庫僅少)

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華やかでオシャレではない、ウラのPARISが舞台だ。
よって、全然ウキウキするものではないのだが
なんだか惹かれてしまう作品なのだ。


女優をめざし、遠縁のおばさんを頼ってリトアニアから来た女の子「ダイガ」の話と
その頃、頻発していた老女連続殺人事件に関わる人たちの話が
絡み合いつつ進行するストーリーだ。
18区に住む移民たち、ゲイ、貧困層。。。
彼らの息遣い・・・憤りや怒り、ずるさ、あきらめ、強さ、みたいなものを
繊細に描いている。


どうにも救いのない内容なのだが
なぜか見終わって後味の悪さはあまりない。
ダイガちゃんのふてぶてしさのせいかな。

結局、女優になれず挫折してPARISを去るのだが
バイトしていた安ホテルで、殺人事件の犯人の部屋から
チャッカリお金を盗んで、さっさとトンズラしてしまう。
アッパレな感じなのである。
無垢でけなげな一面と、ふてぶてしいまでの逞しさがこのコの魅力。



夜の18区には、ほとんど縁がないけれど
空港から市内に入るとき
サクレクールが近づいてくると、あ~PARISに着いたなあと思い、
この映画の冒頭シーンと、ふっと時空が重なるのだ。

くわえタバコでおんぼろ車を運転しているダイガ。
見えてくる白亜の寺院。
夢を抱いてやってきた彼女のきれいな横顔。


ロワシーバスに揺られつつ
ワタシもまた、たった数日の異邦人として
今、着いたところだと
ダイガに向かって、ぼそっと呟いてみたりするのである。




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Toulouse-Lautrec展 

 

東京・丸の内にある三菱一号館美術館では
12月25日まで、ロートレック展が開かれています。


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ロートレックの作品は
本場のPARISで何度か観ていますが
今回の展覧会は想像以上の規模でした

総数250点あまりの出展のほとんどが
三菱一号館美術館所蔵なのもビックリ。
こんなにまとめて持っていようとは
さすが、財閥・・・



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金曜の夜に行きましたが、空いていて
ゆっくり観ることができました。


美術館のある「丸の内ブリックスクエア」は
クリスマスシーズンのためライトアップもきれいです。
心地よい時間を過ごせました・・・




RIMG0059 - コピー

カタログ(¥2000)とエコバッグ(¥350)






category: ART / CINEMA / BOOK

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HERMÈSのドキュメンタリー映画 

 

HERMÈSのドキュメンタリー映画「ハート&クラフト」を観た。


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2010年の年末から今年の2月にかけて
フランス各地の工房に密着し
撮影した47分のドキュメンタリーフィルムだ。

控えめなカメラワークの向こうに
静かに、でも情熱をもって
素材と対話する職人たちの姿があった。


一枚の革を愛でるように吟味するひと
正確なストロークで型を切り出す裁断師
ひと針、ひと針、丁寧にバッグの縁を縫うひと
微妙な調合で染料の色を作るカラリスト
金属を美しく磨きあげるひと
気の遠くなるような細かいスカーフの柄を描くひと


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様々な人種、年齢の職人たちが登場する。


技もさることながら
驚いたのは、彼らの豊かな言葉だ。
まるで詩人のように美しい表現で自分たちの仕事を語る。
その顔は、職人であることの誇りと幸福に満ちているのだった。


上映のあと、エルメス・ジャポン広報の方の話があったが
印象的だったのは

私たちは自分たちのことをブランド企業と言ったことがない。
「会社」という言葉も使わない。
では、何かと問われれば「ものつくりのメゾンです」という。

・・・と、おっしゃったこと。

「会社」とは実体のないもの。
それは、「ひと」がつくるものだ。・・・とも話された。

ひとを大切にする企業風土が、この歴史あるメゾンが存続し
進化している最大の理由なのかもしれない。

「ものをつくって、ひとに届ける」
ひたすらにシンプルな仕事一筋。
HERMÉSの職人の手は、こうして次の世代に継がれてゆく。



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「華氏451度」 レイ・ブラッドベリ 

 

先日、Googleのトップページをあけたら
ホリデーロゴが 「フランソワ・トリュフォー生誕80周年」で飾られていた。

トリュフォーさんといえば、ヌーベルヴァーグの旗手
「ザ・フランス映画」 のイメージそのものみたいな人ですが
作品群の中に 「華氏451」 とある。


その原作、「華氏451度」はSF作家 レイ・ブラッドベリの代表作だ。
 

ブラッドベリが好きなワタクシ。
トリュフォーとSFが、どうしても結びつかなくて意外な感じがしたのだった。
もちろん、トリュフォー版の作品も観ていないし
ブラッドベリの本も引越しなどで紛失。

この機会に、もう一度読み直してみようと思い本屋さんへ・・・



華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)
(2008/11)
レイ ブラッドベリ

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読書も、本を所持することも禁止された未来の話。
人々は、テレビと、イヤホン型のラジオから流れてくる
享楽的な情報を受け取るのみの生活をしている。
本を持っていることを密告されると
焚書係の役人によってすべてを焼き払われてしまう。
本は、空想と妄想を綴っただけの、くだらない、意味のないものだという認識なのである。



ブラッドベリが、この作品を発表したのが1953年。

現在のわたしたちは
恐ろしいことに、この物語のひとたちのように
テレビやネットの情報に溺れ、耳にイヤホンをさして歩き
どこへいくのも機械のナビに頼って
ケータイばかり、いじっている。

本を読まなくなった。
禁止されていないのにね・・
ゆったり読書するより、手早く知りたいことを教えてくれる
インターネットの便利さの虜なのである。


焚書されなくても、今や本の立場は危うい。
売れないからといって
電子化には反対する派のワタシ。(紙フェチなので・・)
そう言いつつ、こうしてPCを使ってブログを書いているのは
矛盾しているのかもしれぬが・・・

ただ、やはり思うのだ。
本を読まずに電子媒体に頼りすぎると、五感が退化していくなあ・・・
思考をやめ、感情が薄れ、だんだん麻痺していきそうだ・・
それは怖いことだよなあ・・と。


改めて読み返してみると、この作品はSFというよりも
主人公の焚書役人が、自分の仕事に疑問を感じ、
次第に本に興味を持ち
いまの自分は幸福でないことに気が付いていく
ヒューマン・ドラマである。
トリュフォーが映画化しようとした意図も何となく・・・わかる気がしてきた。


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ブラッドベリと萩尾望都 

 

おととい、ブラッドベリについて書きましたが
実は彼を好きになったキッカケは
本といえば本ですが・・・漫画なのであります。

萩尾望都さんの。

「ウは宇宙船のウ」


ウは宇宙船のウ (小学館文庫)ウは宇宙船のウ (小学館文庫)
(1997/08)
萩尾 望都

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かのトリュフォーが映画にした程
ブラッドベリの作品は、スペーシーで硬質なSFではなく
もの悲しくて美しい「物語」。

そして、萩尾さんといえば
「ポーの一族」
「11人いる!」
「トーマの心臓」
・・・などの名作をお書きになられた方です


このふたりのコラボが素晴らしすぎて!
萩尾さんの繊細なタッチが
ブラッドベリの世界にあまりにもぴったりで
すっかり魅了されたのでした・・


ここまで書いていたら、無性に萩尾作品が読みたくなってきましたねえ。
今夜、本棚から出そうと思うのは・・

「訪問者」

訪問者 (小学館文庫)訪問者 (小学館文庫)
(1995/08)
萩尾 望都

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「トーマの心臓」の番外編で、大好きなお話です。
もう、号泣します・・




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